価値観とは?キャラクター設定を決めるときにまず考えること【物語に活かせるキャラクター設定】
キャラクターを作るにあたって大事な「設定」
キャラクターの基本情報を次何決めよう?ってなった時、意外と思いつかないことありませんか?
【基本情報】
- 名前
- 年齢
- 性別/性自認
- 種別
- 出身地
- 身長
- 体重
- 一人称
- 口調
- 誕生日/星座
せっかくいろいろ設定を考えたのに何かが足りない
性格とか好きなものとか欠点とか決めたいのにどこかしっくりこない
基本情報にプラスして要素を付け加えるとき何から考えますか?
- 性格?
- 短所/長所?
- 弱点/欠点?
- コンプレックス?
- 価値観?
- 目標/夢?
- 過去?
実際にはキャラクターを一人の人間にするためにはどれも大事です
ただ単に付け加えてもいいのですが、せっかくなら物語で活かせる設定を考えたい!
ということで、今回は「キャラクターに設定を付け加えるとき何から考える?」という問いをテーマに書いていきます
キャラクター設定は「価値観」から考えるのがおすすめ!
そもそも「価値観」とは何か
キャラクターが「なぜその行動をするのか」
キャラクターにとって「何が大切で何が大切でないか」
キャラクターが「何を感じ、何を信じているのか」
というキャラクターから見た世界や物事の見方や考え方の「ものさし」のことです
「価値観」をおすすめする理由
キャラクターが「なぜその行動をするのか?」という行動原理(動機)の中心核になり、物語の中で、キャラクターの選択や行動、葛藤、成長に深く関わってくるため
「価値観」が決まるとほかの設定要素も決めやすくなります
「価値観」の構成
価値観はそのキャラクターが生きてきた環境や経験によって形成されるため、人によって感じ方や正解が一人一人異なります
なので時には価値観のぶつかり合いが発生します
その価値観のぶつかり合いが物語を面白くする要素の1つでもあります
私が思うに価値観は3つの要素で構成されていると考えています
①信念:キャラクターが「心から固く信じていること」
言い換えるとキャラクターが絶対に譲れないものです
キャラクターの行動や考え方の根源になります
「信じていること」って書くとふわっとしてわかりにくいので例題を出します
- 人は嘘をつく
- お金は裏切らない
- 人は面白い
- 努力は報われる
- 人は一人では生きられない
- 人助けが自分の幸せ
②優先順位:キャラクターが「選び、捨てるもの」
キャラクターが2つの選択肢を前にした時、どちらを選び、どちらを捨てるかという基準です
「選ぶ」「捨てる」と書くと大げさかもしれませんが、人は皆、日々の生活で取捨選択しながら生きています
この取捨選択がキャラクターの人生の方向性を決めます
どんな選択があるのかを例題出します
- 「ウーロン茶」or「お酒」
- 「定時退社して残りの仕事を明日に回す」or「少し残業して今日中に仕事を終わらせる」
- 「そば」or「うどん」
- 「買う」or「買わない」
- 「正義」or「友情」
- 「お金」or「信用」
③感情:キャラクターが「感じるもの」
キャラクターが何に対して「喜び」を感じ、何に対して「悲しみ」や「怒り」を感じるかという基準になります
感情はそのキャラクターが人間であるかを表す要素の1つです
「感じるもの」と書くとこちらもふわっとしているので例題を出します
- クラスメイトが検定に合格した時、自分事のように心から「嬉しい」と感じる
- 友人に嘘をつかれた時、深い「悲しみ」を感じる
- 大切にしていたものを壊された時、強い「怒り」を感じる
「価値観」を決めるメリット
キャラクターの行動原理(動機)が決まる
価値観はキャラクターが「どう動くか」の指針です
少し離れたところで誰かがキャラクターに助けを求めた時、価値観によって行動原理が変わります
「人は嘘をつく」という価値観を持っている人は、「関わりたくなく、見て見ぬふりしてその場から去る」などの行動を取ります
「人は面白い」という価値観を持っている人は、「助けを求めた人がどんな表情でどんな行動を取るのか、その先が見たいので助けないけど傍観はする」などの行動を取ります
「人助けが自分の幸せ」という価値観を持っている人は、「危険が伴うとしても助ける」などの行動を取ります
これだけでもかなりキャラクターがどう動くかが違いますよね
キャラクターの性格が決まる
「性格」はほかのキャラとの会話、目の前の出来事に対する反応、に関わる大事な要素です
少し離れたところで誰かがキャラクターに助けを求めた時、価値観によってその人の反応・性格が異なります
「人は嘘をつく」という価値観を持っている人は、「きっぱり断る」「疑いの目を向ける」など冷淡、自己中心的、協調性がない性格が出ます
「人は面白い」という価値観を持っている人は、「憐みの目を向ける」「笑う」など見下す、自己中心的、人の不幸を面白がる性格が出ます
「人助けが自分の幸せ」という価値観を持っている人は、「必死になる」「諦めない」など積極的、行動力がある、お世話好きな性格が出ます
キャラクターの過去が決まる
キャラクターが判断し選択してきた行動の数々はそのキャラクターが過ごした環境と経験という「過去」に基づくものであり、「過去」があっての今の主人公です
価値観はそのキャラクターが過去にどんな経験をしたかによって形成される言わば「価値観」の根拠です
過去に友人から裏切られ傷ついた経験をした人は、「人は嘘をつく」という価値観を持ちます
同じ裏切りでも感じ方によっては「人は面白い」という価値観を持ちます
過去にお兄ちゃん(お姉ちゃん)という役割を親から押し付けられて自分を見失った過去を持つ人は、「人助けが自分の幸せ」という価値観を持つかもしれません
このように、価値観が決まるとその過去がどうだったのかを決めやすくなります
キャラクターの短所が決まる
長所と短所は表裏一体です
キャラクターの魅力は「短所」に宿ります
自己中心的な人は「自分の価値観を大事にしている」「他人の意見に振り回されない」「自分が最優先」「マイペース」「人の意見を聞かない」「自分を守るために手段は選ばない」などの特徴があります
協調性がない人は「他人に興味がない」「社交性がない」「行動は消極的」「こだわりが強い」「自分の意思を尊重する」「コミュニケーションが下手」などの特徴があります
お世話好きな人は「お節介」「要らない気遣いをする」「過干渉」「積極性」「諦めない」「面倒見がいい」「親切」「優しい」などの特徴があります
というように、価値観→性格→長所・短所の流れでキャラクターの特徴を決めやすくなります
ただ短所を決めるだけでは、読者はそのキャラクターに共感をしません
短所が価値観に紐づくからこそキャラクターに不完全さが生まれ、人間味を与えることができます
その人間味は完璧でないからこそ、物語の中で取った行動が葛藤につながったり、読者の共感される愛されるキャラクターになります
キャラクターの好きなもの、嫌いなものが決まる
何を選び、何を捨てるということは、そのキャラクターにとって「好きなもの」と「嫌いなもの」があるということです
「人は嘘をつく」という価値観を持つ人は、「嘘が嫌い」「人と関わるのが苦手」 「一人が好き」などの好き嫌いがあります
「人は面白い」という価値観を持つ人は、「人と関わるのが好き」「機械はつまらない」「一人は嫌い」などの好き嫌いがあります
「人助けが自分の幸せ」という価値観を持つ人は、「お世話が好き」「人と関わるのが好き」「見ているだけは嫌い」などの好き嫌いがあります
というように、価値観→行動原理→取捨選択→好き・嫌いの流れでキャラクターの好き嫌いを決めやすくなります
ただ単にキャラクターに好きなものと嫌いなものを決めた時よりも物語で効果的に活かすことができ、物語に深みを与えます
キャラクターの欲求が決まる
欲求はキャラクターを動かす根源的な欠乏です
人は何かが「足りない」と感じ、その「足りない」を満たすために動きます
この「足りない」を満たすために「得たいもの」が欲求です
「人は嘘をつく」という価値観を持つ人は、「安全欲求 (安心したい)」「自立欲求(自由でいたい)」などがあります
「人は面白い」という価値観を持つ人は、「理解欲求(理解したい)」「優越欲求(他者より上に立ちたい)」などがあります
「人助けが自分の幸せ」という価値観を持つ人は、「救済欲求(助けたい)」「所属欲求(つながりたい)」などがあります
というように価値観と欲求は深く結びついています
物語で芯のあるキャラクターを作ることができる
芯のあるということは、物語の最初から最後まで一貫していることになります
過去がある→価値観が生まれる
価値観がある→行動原理が生まれる
行動原理がある→不完全さが際立つ
不完全さがある→物語の中で葛藤と成長が描ける
この連結がキャラクターの魅力と共感を与え、読者に「この人、気になる」「もっと知りたい」という感情を抱かせ、物語を読み進めてくれます
例題
価値観がキャラクターにどう影響を与えるのか、1つ例を出しながら書いていきます
参考にしながら、ご自身のキャラクターに設定をつけてみてほしいです
木下君の場合

1人目はうちの子の木下 湊(きのした みなと)君です
木下君が心から固く信じていることは「人は嘘をつく」です
嘘をつかれると心が傷つくため、嘘が嫌いです
どんな人でも嘘は大なり小なりつくので、人を信用することが苦手です
嘘をつかれるくらいなら極力人と関わること自体避けます
木下君が抱く感情

人と関わるイベント(出来事)と向き合う時は、自分が傷つくことへの「恐れ」やその人を信用していいのかという「不安、不信」といったマイナスの感情が生まれます
嘘をつかれと知った時にその人に対して「怒り、嫌悪」の感情が湧きます
嘘でなかったと知った時にその人に対して「不審」の感情が湧きます
木下君が選ぶ行動

- 人と関わることと機械操作なら機械操作を選ぶ
- 就職先は人となるべく関わらない職種になれる場所しか応募しない
- 人から早く離れたいので定時退社し、まっすぐ家に帰る
- 通勤は車で
- 飲み会は絶対に行かない
- 人が多い場所には行かない
- 単独行動
- 買い物は通販で済ませる
- 交友関係は狭く浅いくでいい
- 休日は一人で趣味に没頭し会話をほぼしない
- 助けを求められても見て見ぬふりするか、断る
などの自分の心を最優先にし、人と関わるメリットを捨てる行動を取ります
人と関わるイベント(出来事)が発生した時に、その人を「信じるか、疑うか」という葛藤が生まれます
なぜ木下君は「人は嘘をつく」という価値観を持つようになったのか?

- →小学生の頃、親に嘘をつかれたから
- →中学生の頃、友達だと思っていた人から裏切られたから
という過去を持っているから
木下君の性格・短所

木下君の性格は、価値観から掘り下げた行動と感情から「マイペースで慎重」という性格にしました
短所は以下の通りです
マイペース→融通が利かない、自己中心的、協調性がない
慎重→優柔不断、消極的、用心深い、完璧主義、変化に弱い、頑固
木下君の好きなもの・嫌いなもの

木下君の行動から好きなものと嫌いなものは以下にしました
好きなもの
- 機械操作
- 単独行動
- 家にいること
- 車
嫌いなもの
- 嘘
- 人と関わること
- 飲み会
- 人が多い場所
木下君の欲求

木下君の価値観から掘り下げて「安全欲求(傷つきたくない)」にしました
これでかなり人間らしくなりました!
ここに「変化」があればもう物語です!
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まとめ
キャラクターに設定をつけるときは「価値観」から掘り下げると決めやすくなります
決めやすくなるだけでなく、芯のあるキャラクターになり、物語に魅力と共感を与えてくれます
おすすめです!
